![]() 誉れ高き変形H型の校舎に整然と並べられた各教室。1階に位置する1年教室から3階の3年教室まで、どの教室も完全に同じ造りである。 しかし。ミルクホールは6組の方向にあるし、トイレは校舎の真ん中にある。太陽だって東に昇って西に沈むのをダレも止められやしないのだ。 ここに根源的なる教室の格差が生じることになる。果たして何組が一番トクをするのか? 富校生の持つこの潜在的な問いかけに正面から応えるべく、富校の杜は総力を挙げて調査に乗り出した。 なお、この企画は「だからどうした」というものではなく、あくまでシャレです。 各教室の格付けは富校の杜のバカな独断とおろかな偏見、そしてあふれる愛校心の裏返しに基づくもので、富校の校舎にモノ申しているのではありません。 ご感想はこちらまで |
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・・・ ミルクホール・北辰会館食堂・西中庭への行きやすさ。 ・・・ 行きたいときにスッと行ける手軽さを求めて。 ・・・ 第二の机としての活用におけるメリットの大きさ。 ・・・ 勉強につまずいたときにはやっぱり富校の担任団。 ・・・ ひとの集まる教室とは、開放的な教室ことを言います。 |
![]() | ・・・ ついに明かされる、富校のトクトク教室とソンソン教室。 |
ランクAAA | 20点 | 非の付けどころがなく毎日きわめて快適な教室 |
ランクAA | 15点 | 日々を過ごすにあたっておおむね快適な教室 |
ランクA | 10点 | 生活において目立った不都合を感じることのない教室 |
ランクB | 5点 | 大きな支障はないがときに不快なこともある教室 |
ランクC | 0点 | たびたび不便さを感じなければならない教室 |
水道 | 3-R | 3-1 | 東階段 | 3-2 | 3-3 | トイレ | 選択 | 3-4 | 西階段 | 3-5 | 3-6 | 水道 |
←理科館 トイレ 水道 | 選択 | 2-R | 2-1 | 2-2 | トイレ | 2-3 | 2-4 | 2-5 | 2-6 | 水道 | ||
←東出入口 | 選択 | 1-R | 1-1 | 1-2 | トイレ | 1-3 | 1-4 | 1-5 | 1-6 | 西出入口→ |
◆B棟・・・正面玄関や事務室のあるほうがA棟。富校生もよくわかっていない。 ◆R組・・・理数科クラスの公式な別称。りすうかの「り」がRという発想。 ◆選択・・・選択教室。1階が選択Iで3階が選択IIIという具合。選択授業で使う。 ◆出入口・・・富校には生徒玄関がないので登下校もここからというひとが多い。 |
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![]() あたたかな日差しの降りそそぐ日のお昼休みともなると、富校生はきまって西中庭を目指して校舎をとびだす。 けっして東中庭ではないのがポイントである。東中庭でお弁当を広げるかわいい女の子もいるにはいるが、それは少数派と言うべきであろう。 なんといっても西中庭にはお昼のいこいの場であるミルクホールがあり、自販機でジュースやコーヒーが買える。 ただし、夏場ともなればアイスクリームも買えた売店は現在閉鎖中である。 また、多くの富校生が利用する食堂も西側の北辰会館にあり、人通りも大変に多い。 さらに、「池」の東中庭に対して「丘」の西中庭では芝生に寝転がってのひなたぼっこにはもってこいというのだから、 西中庭への行動利便性は富校生にとってきわめて重要なウェイトを占めているのは明白である。
◆評価の高い教室 ランクAAAの1年5組・6組は文句ナシのランキングだろう。 西出入口への近さはもちろんのこと、廊下に出れば目の前に西中庭が見えるというにぎわしさが高評価を得た。 お昼の前に食堂へ行って食券を買っておくことも軽々とできてしまうのだ。 また、2階・3階にとっては西階段が頼みの綱であり、各階の4組・5組の高評価はそのためである。 さらに、多くの富校生でにぎわう西中庭周辺の様子を手に取るように眺められる、2階・3階の5組・6組にも注目しておきたい。 ◆評価の低い教室 図を見れば一目瞭然であるが、トイレを挟んで左側の「東ブロック」はきわめて苦しい位置づけである。 これはただ単にお昼の利便施設から遠いばかりではなく、南中をすぎた太陽からの日差しが東ブロックには届かず、知らず知らずのうちに暗い雰囲気に包まれてしまうことにも起因している。 そしてのきなみランクCに入っているのが3階東ブロックである。 特に東階段を越えたR組・1組ともなると、お昼休みにどこかへ出かけるのもひと苦労である。 ちょっとやそっとノドがかわいたくらいで遠いミルクホールまで足を運ぶなど、とんでもない話なのである。 いかに恐ろしい場所であるか、分かっていただけたであろうか。 |
![]() 人体の70%が水でできているという事実。 そして、みずみずしく新陳代謝の盛んな青春時代を謳歌する富校生にとってはなおのこと、トイレはかけがえのない存在である。 そんなトイレも、廊下の遥か彼方にあったとしたら、あなたは果たして行こうとするだろうか。行くに決まっている。 さて、富校生が日常的に利用するトイレといえば廊下の中央に位置するB棟トイレであろう。 わざわざA棟トイレまで足を運ぶとすれば、それは大きい方のときであろうか。トイレは近いに越したことはないのである。 また、放課後、校舎の掃除に励む富校生は水道設備をひんぱんに利用することになる。 その際、水道と掃除場所との間に長い道のりが待ちうけていたとしたらどうだろう。 水をいっぱいにした重たいバケツを手に廊下を歩くことは、レンジでチンの時代を生きる現代人にとって、なかなかの重労働である。 以上のことから、生活に密着したトイレと水道がより身近に位置することは、富校生の快適生活に大きく貢献すると結論したい。
◆評価の高い教室 なによりも先に注目しなければならないのは、2年R組の圧倒的な快適度である。 理科館との連絡通路にあるトイレはまさに2年R組専用の感があり、混雑することはまずないと言っていいだろう。 さらにその隣には富校校舎で最大規模の蛇口数6個を誇る水道設備があり、これまたR組の生徒しか使わないというのだから至れり尽くせりである。 続いて2・3階各廊下の突き当たりに位置する蛇口数4個の水道が評価に大きな影響を与えている。 これは掃除のときの利便性にとどまらず、授業でチョークを使った生徒がその手を気軽に洗いにいけるという見落としがちな効能による。 授業が始まってからトイレで手を洗う生徒はおらず、席に戻るついでにひょいと廊下に出て手を洗えるのは突き当たり教室の特権だといえる。 また、蛇口数4個を擁する、1階トイレ西側の水道にもっとも近い1年3組も高く評価できる。 ◆評価の低い教室 全体的に低い評価を受けているのが1階の各教室である。 これは、B棟トイレが校舎の構造上、2・3階に対して1階が3分の2程度の規模しかもたないことに起因している。 とくにテストの時間が終わったときなど、遠く離れた1年6組がたどり着く頃にはすでにトイレは満員であろう。 そんな6組がBにランク付けされているのはなぜか。 1年6組の方々は、大して変わらない距離に北辰会館のきれいなトイレがあることを思い出してもらいたい。 |
![]() 富校生のロッカー活用法は実に多岐にわたる。少なくとも体育館シューズは全ロッカーに安置されており、 体育服も、こまめに洗濯する女の子を除いては、一ヶ月くらい着続ける男子運動部員を筆頭にたいていのロッカーに置いてある。 また、辞書や教科書を置いておく場所としても非常に重宝されている。 富校生が地理や歴史、家庭科といったヤケに資料の多い教科を持ち帰るのはテストが近づいたときのみであろう。 さらに冬場ともなると、かさばるコートを入れておくのもロッカーである。 もっとも、冬の深まったバレンタインデーにチョコを入れようとしても富校生のロッカーにはカギがかかっているのだが。 このように幅広い活躍をみせるロッカーも、教室から至近距離にあってこそ、その第二の机としての真価が発揮されると言える。 各階の中央、トイレの前に位置する生徒ロッカー。ランキングは見事なグラデーションを描いた。
◆評価の高い教室 教室から出て3歩あるけばもうロッカーという、きわめて利便性の高い各階トイレ東わきの教室たち。 そこで生活する生徒にとってはまさにコンビニエンス・ロッカーである。 休み時間終了のチャイムが鳴り出してから、次の授業が教科書をロッカーに置いてある世界史だということに気がついても、サッと廊下に出てスッと教室に戻ることが可能なのだ。 5歩の距離にある、トイレ西わきの教室もほぼ同等の利便性をもっている。 ◆評価の低い教室 廊下中央付近の教室に対して、廊下突き当たりの教室の生徒たちはロッカーのもつ効能を半分も引き出すことができない。 まず、いちいち授業ごとにロッカーに通うのはめんどうなので、朝登校したときにその日の教科書をまとめて教室に持っていくことになる。 さらにそれでもめんどうなので、ロッカーに置くよりもできるだけ教室の机につめこむようになり、机が重たくなる。 そして、ちょっとした小荷物などは廊下にある傘かけの下に置いてしまう生徒まで出てくるしまつ。 各教室の富校生のあいだには、かくも歴然たるロッカー利用率の格差が存在しているのだ。 |
![]() 「職員室部門なんていらない」という、ほとんど職員室に行かない生徒の声も予想されるが、 熱心にこの部門の開設を望む模範的富校生の声がそれを凌駕してしまうことを忘れてはならない。 職員室をきわめて頻繁に活用している模範的富校生は、おもに勉強の質問のために足を運ぶ。 予習でわからなかったところを授業前に聞く生徒、授業でわからなかったところを放課後に聞く生徒、 そしていちばん混雑するのは、多くの生徒がテスト範囲の問題について質問をしにくるテスト期間中だ。 放課後教室に残って勉強する生徒も多い富校において、難問に出くわしたときの駆け込み寺がすぐそばにあることは大変に心強いことなのだ。 もちろん、職員室はほかにも多くの機能をもっているが、その多くはそこに担任の先生がいることによってもたらされている。 さまざまな提出物、数多くの面接、そして雑談など。またさらに、授業担当の先生方の利便性にとっても、教室の位置は無視できない。 授業の開始・終了時刻が厳密に守られている富校において、チャイムが鳴ってから職員室を出るようでは遅刻なのである。 教室を語るうえで、その対とも言うべき職員室とのつながりを無視してはならないのであった。
◆評価の高い教室 職員室のある2階教室が、他を圧倒する高評価を得ていることがわかる。 ランクAAAの2年2組・3組・4組のなかでも、とりわけ3組は秀逸である。 これは、A棟とB棟をつなぐ位置にある職員室前の中央廊下が、中央トイレの西側から延びているためであり、 この位置関係によって3組は職員室まで徒歩5秒という抜群の好タイムを叩き出すことが可能なのである。 また、職員室と各階への行き来には東西両階段のほか、前述の中央廊下にある中央階段も利用される。 1年4組・3年4組は西階段、1年3組は中央階段を利用するのが一般的であろうか。 ◆評価の低い教室 富校の孤島として名高い3年R組。職員室からもっとも遠い教室であることは誰の目にも明らかである。 さらに具合の悪いことには、ほかにしのぎを削り争う教室がなく、3年R組だけが明白に最下位なのだ。 ここの生徒は、質問事項がある程度たまるまでなかなか職員室に行こうとしなくなる。 |
![]() 教室社交性とはいったい何であろうか。それは、教室の明るさであり、雰囲気であり、ひいては集客力のことである。 それらのパラメータを左右する最たる教室的特性は、その位置にあると言えるだろう。 たとえば往来の盛んな商店街。その中にあっても、街の中心に位置する店舗と街外れに構えた店舗では客の集まりに大きな差がでてしまう。 また、地下鉄駅の入り口のような利便施設のそばでも、やはり多くの人々が行き交うことになる。 人通りが多ければ、それだけ店に入るひとも多くなる。多くのひとが入れば、それだけ店は繁盛する。 こうした例からもわかるように、たくさんの生徒が通る位置にある教室は、それだけで雰囲気が明るくなるのである。 明るい教室には、いろんなクラスからひとが集まるようになる。これが教室社交性というものなのだ。
◆評価の高い教室 まず、文理に別れ、クラス替えを経験した2・3年生はそれだけ友達も増え、ほかのクラスに遊びに行くことが多くなる。 そんな中で、ランクAAAを得た各4組の恵まれた教室位置に注目しておきたい。 お昼休みにおいて、2・3年生の移動曲線はほぼ西階段に集中する。 東階段よりも東に位置する教室の生徒も、西中庭へでるときには東階段を使わずに西階段から下りていくのだ。 これによって、お昼休みに食堂やミルクホールへ向かう生徒の多くが4組前の廊下を通ることになり、 ついでにあいつも誘おうか、ちょっと遊びに寄ってみようか、といった多くの生徒が集まるのである。 なお、1年5・6組は、2・3年生も含めた数多くの生徒で廊下がにぎわい、全校生徒に教室をのぞかれていく。 一方、ふだんの休み時間における生徒の行動曲線はトイレに集中することになる。 東西両ブロックの生徒が顔をあわせる、数少ない機会をもたらしてくれるトイレ。 また、男女ともに、仲のよい友達といっしょにトイレへお出かけすることも日常的に見られる行動である。 中央トイレには、出会いとふれあいがあるのだった。 ◆評価の低い教室 理数科に一歩も足を踏み入れずに卒業していく富校生。どうも理数科に行くのは気が引ける、という生徒。 このような富校生を少なからず生み出してしまう理数科の雰囲気は、まじめっぽいという先入観、クラス替えがないこと、そして廊下の最奥にあること、などによってもたらされている。 先入観以外はどうにもならないのだから、どうしようもない。 |
![]() 以上、5つの部門による厳正なる審査の結果、ついに富校のトクトク教室とソンソン教室がつまびらかとなった! 進級をひかえた1・2年生、そして合格を決めた中学生諸君は、このランキングを参考にクラス分けへの祈りを星や神社に捧げてもらいたい。 ◆「快適!教室ランキング」総評 総合格付AAAに輝いたのは2年3組。さすが、校舎の中心部に位置するだけあって、富校生活のあらゆるニーズに幅広く応えてくれ、また活気に満ちている。 すべての廊下は2年3組に通じているのであり、2年3組の辞書に「不便」はなく、パクス=2年3クミニカを謳歌していると言っても過言ではない。 圧巻の偏差値68.1は富校生なら東大合格も十分可能。 全体を見ても、やはり2年3組を中心とした同心円状のランキング構造が浮かび上がってくる。 ベスト3がそろって2年、そしてまた2年教室の多くが偏差値50を上回っており、富校生の「日常生活」に限って言えばもっとも恵まれた学年であると言える。 総合格付でCとなってしまった1年・3年両理数科であるが、これをまぬがれた2年理数科はトイレ・水道部門でのAAAに助けられている。 しかしその反面、そのトイレと水道が2年理数科「専用」であるがために、かえって彼らの社交性に悪影響を及ぼしていることも否めないところである。 さて多くが苦戦した3年教室であるが、悲観することなく教室で勉強に励むように。
*1平均点・・・46.4 *2標準偏差・・・18.6
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◆とみこう掲示板に寄せられた感想(感想部分のみ引用) |
■ etc.2 |
■謎 投稿日:99年6月9日<水>07時34分 |
>教室 |
■ 3−2 |
■フランソワ 投稿日:99年6月5日<土>23時47分 |
3−2ですが、ミルホ遠すぎです。トイレは近いけど。去年は、2−3でした。ロッカ−も職員室もトイレも近くてけっこうよかったのに。 |
■ 現3−6 元2−6&1−3 |
■三夢 投稿日:99年6月5日<土>16時13分 |
3−6 これは言うまでも無く、不便そのもの。(2−6以上に) |
■ 1−4もなかなかです。 |
■のんたん 投稿日:99年6月5日<土>00時06分 |
1−4は、体育館からもミルクホ−ルからも遠くなくて、 |
■ 2-5は気に入ってますよ。 |
■なっちゃん 投稿日:99年6月4日<金>22時31分 |
2−5はなかなかいいところに位置してるのでは? |
■ 現2年6組生徒です。 |
■Albert 投稿日:99年6月4日<金>20時57分 |
2年6組はやっぱり不便ですよ。 |
■ わたしは元2年6組 |
■つぉん 投稿日:99年6月4日<金>08時11分 |
2年6組は不便でした。 |
■ あー山王さん行きたかった |
■幸之介@111 投稿日:99年6月4日<金>01時51分 |
ネオンさんようこそ。(^^) |
■ 初投稿です。 |
■ネオン 投稿日:99年6月2日<水>19時53分 |
教室のランキング、我が2-6は、平均点くらいでした。 |
■ カウンタ22222予告なしに?頂きました。 |
■たけち 投稿日:99年6月1日<火>01時58分 |
教室ランキングの特集、すごく分析してますね。 |
■ ぞろ目 |
■幸之介@111 投稿日:99年5月27日<木>23時48分 |
教室ランキングの感想ありがとう!>NKさん |
■ 教室のランキングおもしろい! |
■NK 投稿日:99年5月27日<木>19時14分 |
教室をランクづけるとはおもしろいじゃありませんか! |
◆あとがき ふう。いかがでしたか?実に一年間もあたため続けてきた大物企画であります。 この企画の構想を書き留めた筆者のアイディアメモ帳の、同じページに「ウグイス鳴いた 東中庭」と書かれていました(富校日記/1998年5月13日)。 筆者が3年生となり、いちばんいそがしかった頃でしょうか。 富校大百科事典をはじめとして、富校の杜は外部の方でも楽しく読めるように努めてまいりましたが、この企画はかなり内輪・現役的ですね。 しかも教室の配置というのは年度によって少しずつ違ってきたりもしますから。 富校が7クラスになったのも最近のことですし、実は筆者の在学中は3年理数科がいまの3組の位置にありました。 そうなれば、理数科もちょっとは日の目を見れたかもしれませんねぇ。(^^) ご感想はこちらまで |