校章富校大百科事典 1997年版
 富山高校のすべてを網羅する総合大百科事典。

富山高校の校章
富山高校の校訓
富山中学校校歌
「学びたき若人集い」
富山高校の歴史
期と暦の対応一覧
富校略語解
部活動一覧

「あ行」
アイスクリーム
頭のいいカラス
ALT
H型の校舎
太田屋
屋上
お弁当
「か行」
各教科の名前
学習生活実態調査
学年色
学年担任団
学年通信
学ラン
傘置き場
傘没収
かたい握手
家庭訪問
かまどや
基準点
記章
記念館ギャラリー
教科書販売
教師
組長
月刊図書館
月例大掃除
校外模試
購買
御三家
コンビニ
合格体験記
「さ行」
3年1組1番
しおり
時鐘
十手
シャトルラン
住所
授業の開始
塾や通信添削
宿題
賞状
食堂
私立大学
慎重敢為
スプリング
 コンサート

生徒手帳
生徒の学力
生徒名簿
席替え
1500m
掃除
「た行」
体育館シート
体育館シューズ
体育大会
大学の棚
高橋紙店
太郎丸公園
暖房
中学校
定期テスト
テストの講評
添削
トイレ
時計
図書館
土足
富高体操
「な行」
西中庭
日本手ぬぐい
「は行」

パン屋
東中庭
百周年記念館
附属中学校
富中富高百年史
ブラインド
文化活動発表会
ベランダ
ホームリーダー
北辰
北辰会館
補講
堀川中学校
「ま行」

ミルクホール
むつみ会
「や行」
休みの計画表
雪だるま
予習
「ら行」
理科館
理数科
リボン
冷水器
ロッカー
「わ行」

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     「あ行」
アイスクリーム [あいすくりいむ]
 ミルクホールの人気商品の一つで、すべて100円。春から秋にかけて販売しているが、やはり最も売れ行きがいいのは夏場である。 晴れた日ならば、お昼を食べ終わったあと、アイスクリームを片手に西中庭の芝生でぽかぽかとくつろぐ、というのが富校生の定番である。
 ・・・はずであったが、現在ミルクホールの売店が閉鎖中なのでこの風物詩を楽しむことができない。

頭のいいカラス [あたまのいいからす]
 富校にはときどきカラスが遊びにやってくるが、たまに大量にやってきて両体育館の屋根に群がる様子は不気味である。 ところでパン屋のおばちゃんによれば、富校のカラスはなんとサッカーをするそうである。 ソフトテニス部のボールを上手に掴まえて、生徒のいない授業中に、西中庭で何羽かいっしょになってボールを転がしては拾い、転がしては投げるという。

ALT [えいえるてぃい]
 外国人の英語教師。若い先生がふつうで、恥ずかしがりやの富校生に楽しく英語を教えてくれる。 なぜか美男美女が多かったりする。たまにやたらと日本語の上手な先生が来られると、すぐに生徒とお友達である。 逆にあまり日本語が話せない先生の場合、会話のできる生徒は羨望のまなざしを浴びる。

H型の校舎 [えいちがたのこうしゃ]
 富校の校舎は翼を広げたような「変形H型」と呼ばれる斬新な形をしている。 3階立てで完全な対称形をしており、「まず校舎ありき」というくらいに美しい構成である。 1階から順に学年が上がっていき、教室の配置もとても覚えやすい。 ほかの高校より築年数が少なく、きれいな校舎である。が、高岡高校には負ける。

太田屋 [おおたや]
 西門の正面にある、冷たいものやさん。具体的にはかき氷屋さん且つ、モナカ屋さん。富校より徒歩8秒。 夏場の部活動の帰りなどで、富校生が大いに利用している。伝統あるモナカは富校生以外にも、広く知られていて人気が高い。 夏のお土産に最適なおいしさ。

屋上 [おくじょう]
 富山高校の校舎の屋上は単なる屋根であり、上ることもできなければ愛の告白もできない。

お弁当 [おべんとう]
 半分くらいの生徒が持ってくるお弁当だが、一人で食べたり、友達と食べたり、恋人と食べたりとその形態はさまざま。 教室で食べるのが最も一般的だが、天気のいい日には西中庭、東中庭も1年生を中心によく利用される。また、友達につきあって食堂で弁当を広げる光景もよく見られる。
 入学したての頃はクラスを超えて同じ中学出身者が一堂に会して食べることも多い。そのうち、同じ部活同士で集まるパターンが多くなってくる。 食べはじめの時間帯は3限終了後が最も多い。が、よほど少ない女の子のお弁当でないかぎり、お昼休みに持ち越されることが多い。 さすがに残りも少なくすぐ食べ終わるので、お昼休みの後半はミルクホールへ行ってくつろいだりと、ゆとりのひとときを過ごせる。

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     「か行」
各教科の名前 [かくきょうかのなまえ]
 数学はアルファ、ベータに分かれている。 これは問題ないのだが、英語は「甲・乙・副」に分かれているという点がちょっと。 伝統と歴史のなせる業だが、他校生には「だっさ〜」といわれる。

学習生活実態調査 [がくしゅうせいかつじったいちょうさ]
 4月と9月の年2回、1週間に渡って実施される綿密なアンケート。 家庭学習の平均時間は曜日ごと、教科ごとに出され、毎日の行動、将来の生き方、帰宅時間、朝食の有無、睡眠時間、家族の会話など、 挙げればきりがないほど多岐に渡る項目があり、昔は担任団がひとつひとつ集計しパソコンに打ち込むという涙ぐましい作業をしていた。 いまでは富校も情報化が進み、この膨大なデータはマークシート読みとりによって効率的に処理されるようになったが、 これを表やグラフにまとめ、考察まで書いたプリントが制作されるのであるから、やはりたいへんな労力を要する。 そんな苦労を知ってか知らずか、要求される平日4時間の家庭学習にはあまり届かない。
 1日の生活の記録の欄の「記入例」が4時間しか寝ていないという点が恐ろしい。 印刷ミスであることを祈ろう。

学年色 [がくねんしょく]
 男子の記章台や女子のリボン、内履きのラインや自転車の登録シール、生徒手帳など、学年ごとに色の違うものは多い。 しかし、どれをとっても色がバラバラであり、統一性は皆無である。 記章台とリボンくらいいっしょでもよかったのでは、とも思うが、何十年という歴史があるため、もはや誰にも止められない。

学年担任団 [がくねんたんにんだん]
 名前の通りの団だが、何か怖い。 名前だけを見ると何か武器でも持って戦いを挑まれそうな迫力があるが、実際は宿題を持って試練を与えてくる。 「学年通信」という機関誌を不定期に発行しているほか、各種しおりの発行、学習生活実態調査の実施、生徒の進路の相談など、何でもこなす。

学年通信 [がくねんつうしん]
 学年担任団発行の機関誌。不定期ながら、だいたい2ヶ月に1号くらいのペース。 その時期に合わせて各号さまざまなテーマで発行されるが、毎号必ずついているのが各教師による巻頭言である。 月刊図書館と合わせて、先生たちのさまざまな一面を見ることができる読み物である。
 このほかには各行事についての生徒の声や、テストに対する担任団からの厳しいお言葉などがたびたび紙面を彩る。

学ラン [がくらん]
 男子の制服は学ランである。いろんな高校がブレザーに移行していくなか、これを堅持している。 富山はどういうわけか進学校ほど学ランを通す傾向がある。特に富校生の間に廃止の要望もない。

傘置き場 [かさおきば]
 生徒玄関のない富校では、傘は各教室前の廊下に設置してある手すりに掛けておく。さすがは富校、盗られるようなことはまずない。 もちろん傘が濡れていても廊下に直接したたり落ちないように、下には溝がついている。
 ロッカーから遠い教室の傘置き場には、時にかばんやコートまでも置いてあることがある。

傘没収 [かさぼっしゅう]
 自転車、傘、不運の三つが重なるときに起こる現象。 自転車の傘さし運転は禁止されているため、登校時に校門で先生が待ちかまえているとこうなる。 いかにも生徒が傘さし運転してきそうな小雨の日などは、まず先生がいると思って間違いない。 校門の手前で隠そうと思っていると、わざわざ先生が校舎を離れて通学路の途中までお出迎えしてくださっているときもあり、恐悦至極である。

かたい握手 [かたいあくしゅ]
 卒業式の時に校長先生にもらえる。「全員が手渡しで卒業証書をもらえる」富校卒業式のよき伝統のひとつ。

家庭訪問 [かていほうもん]
 富校生は必ず、高校3年間に少なくとも一度は家庭訪問を経験することになっている。 「最低一回」なので、元気のない生徒や元気のよろしすぎる生徒は3連覇達成も夢ではない。 基本的には毎年だいたいクラスの3分の1くらいを回るのがふつうだが、クラス全員を訪問してしまう元気な担任もいる。
 「最低一回」の原則はかなり強固であり、海外からの留学生が帰国してしまっても、富校教師は負けずに足を運び訪問する。拍手。

かまどや [かまどや]
 東門から歩いて200mポイントにあるお弁当屋さん。富校生御用達の店。 食堂やパン屋さんが開いていない夏休み中などに、部活の生徒が買いに来る。 いつもついてくる割引券は何枚も集めなければならないため、集めようとする人は少ないが、逆に集めようとすれば友達からいっぱいもらえる。 そのため「集めてる人」がたいてい部活内に2、3人はいる。

基準点 [きじゅんてん]
 手をかけて手をかけて、真心こもった労働集約的コシヒカリのような進路指導をウリとする富山高校進路指導部。 夏休み終盤、宿題に追われて生き地獄のような日々を過ごす富校生に対して、進路指導部は基準点算出に追われて阿鼻叫喚の毎日を送る。
 基準点とは富校生の校内偏差値にもとづく大学別の合格基準値であり、毎年夏、あらゆるデータを総動員させて更新され続けている。 富校生は「A平均」「B平均」「学年平均」といった、これまた富校独自に算出される自分の偏差値とこの基準点を、 大学別の傾斜配点に照らし合わせて合格可能性を判定するのだ。
 文章で簡潔にまとめてもこれだけ大変なのだから、実際に解析する進路指導部と富校生はもっと大変である。

記章 [きしょう]
 男子は首に、女子は胸につける校章。男子には記章台が付いており、1年生は白、2年生は黄緑、3年生は青である。 校章の色は男女で違っており、富山の雪を表しているはずの部分が、女子はなぜか赤い。 富山高校の誇りを示すものであり、付け忘れてくるとコラと言われる。

記念館ギャラリー [きねんかんぎゃらりぃ]
 百周年記念館1階にある展示施設。月ごとに富校卒業生の芸術作品展などをおこなっており、富校生のほか、一般の来客もある。 恒例行事としては美術選択者による作品展や、人気の高い、富校教師陣による作品展、さらには新春の教職員・生徒年賀状展などがある。

教科書販売 [きょうかしょはんばい]
 富校の至れり尽くせりシステムのひとつ。
 春夏秋冬時期を問わず、富校生は頻繁に教科書、参考書、問題集といった本を購入することになる。 進級をひかえた春だけは指定の書店でのまとめ買いであるが、ふだんの書籍購入は富山高校まで本屋さんのほうにお越しいただいているのだ。 富校生は当たり前だと思っているが、中部高校にこのようなシステムはないのである。もっとありがたく思わなくてはいけない。
 なお、休み時間がはじまったばかりの頃は混雑するので、終わりごろ、できれば昼休みの終わりごろに行くのが賢い購入テクニックである。

教師 [きょうし]
 富校の教師は富校の卒業生がなかなか多い。そのため「私の頃は・・・」と言ったお話がよくでてくる。 教師の立場からしても身の回りに先輩や後輩がいたりするわけであり、職員室の雰囲気はいつも和やかである。
 「生徒に人気の先生」はどこの学校にもいるものだが、富校ではそんな教師があふれかえっている。 人望の厚い教師に恵まれているといえよう。

組長 [くみちょう]
(1) すごい職業の方。
(2) 富校のクラスの代表者。級長とか、学級代表とか、クラス委員とかの類。 この役職に就いたら、たいていクラスのみんなから「組長」と呼ばれることになる。

月刊図書館 [げっかんとしょかん]
 富校図書館の発行する機関誌。メインとなるのは毎月1人ずつ教師が書くコラム。先生それぞれの個性と教養をうかがい知ることができる、いい企画である。 コラムの内容に関連した、その先生おすすめの「参考文献」なるものも付いているほか、富校卒業生による著作物の新着案内もある。

月例大掃除 [げつれいおおそうじ]
 月末におこなわれる、40分がかりの大掃除。 敷地内の草むしりや校舎の窓拭きなどのほか、普段の掃除場所もこの日はより入念に掃除される。 以前は50分であったが、時間が余りがちであったために短縮された。それでも余るところは余るが。

校外模試 [こうがいもし]
 学年を重ねるほど多くなり、3年生はほぼ毎月のように受ける。 富校で上位の者は全国順位にも名前が載るため、頭がいいんだ、という目で見られる。

購買 [こうばい]
 ミルクホールの中でおばちゃんがやっている、便利なお店。 記章やリボンのほか、文活のクラス研究に使うガンピも売っている。各種文房具も定価より安く売っているが、実は大手の文具店よりは高い。 特に心強いのは5円の割り箸であり、お弁当に箸を忘れるという最低の事態もしっかりと救ってくれる。
 ・・・はずであったが、1998年9月より購買はスポンサーがいなくなり閉鎖中である。復活を望む声は強い。

御三家 [ごさんけ]
 富山県における歴史ある進学校。富山高校、高岡高校、富山中部高校の3校。何かとよく比較される。 ということで、いろいろな観点から3校を比較してみた。
 ▽歴史がいちばん古いのは富山高校、ついで高岡高校、ついで富山中部高校。
 ▽補講の実施などから見て、みっちり勉強度が強いのは高岡高校、ついで富山高校。
 ▽いろいろなパンフレットから、塾や通信添削をする生徒が多いのは高岡高校、ついで富山中部高校。もっとも、富山県は他県から比べると少ない。
 ▽大学への進学に強いのは高岡高校、ついで富山高校。東大などの難関大で言えば高岡、中部の順になる。
 ▽話によれば、最も校風が自由なのは高岡高校、これは世間の先入観だが、ついで富山高校。
 ▽校舎が新しくてきれいなのは高岡高校、ぐっと差を開いて富山高校、さらに差を開いて富山中部高校。
 ▽体育大会が豪快なのはダントツで富山中部高校。文活が壮大なのは富山高校。 これについては、富校の生徒が文活のクラス研究の調べものにと市立図書館へ行くと、 となりの城址公園で中部の生徒が体育大会の練習をしている、という光景が象徴的である。
 ▽他をライバル視する傾向が強いのは富山中部高校。旧制神通中学校時代には「神中ファースト」という標語が掲げられていたほどである。
 ▽男子の割合が多いのは富山中部高校。女子の割合が多いのは富山高校。

コンビニ [こんびに]
 コンビニエンスストアの略。以前はホットスパーが近くにあったが、つぶれてしまったために富校生は困っている。 半径500m以内にコンビニがないのは痛い。早くどこか店を開いてくれることを願う。

合格体験記 [ごうかくたいけんき]
 毎年5月、2・3年生に配られるその名の通りの冊子。1年生にもそのダイジェスト版が配られる。 執筆陣はその年の春に栄冠を勝ち取った豪華卒業生たち。担任団が選考した、だいたい30名くらいの先輩方が寄稿。難関大学の割合が比較的高い。 また、国公立が大好きな富山高校なので、私立大学合格者には書かせてもらえない。
 ときたま、目を疑うようなことも書かれている。直前にE判定取って合格、学年段階1〜3から東大合格などなど。 定番なのが教科ごとの勉強法で、参考書には書かれていないような語りクチで親しみやすい。 時たま30人の中で矛盾も生じてしまうが、また別の人が「結局は自分のやり方を見つけるのがいちばん」と、きれいに結論を書いてくれているので安心である。

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     「さ行」
3年1組1番 [さんねんいちくみいちばん]
 2年生から3年生へと進級するクラス替えのとき、担任団がいちばん気をつかう席。
 それから1年後の卒業式。卒業証書の授与でその生徒には、いちばんはじめに「はい!」と元気な返事をするという大役が待っているのだ。

しおり [しおり]
 学年担任団が発行する数々の小冊子。 「入学のしおり」に始まって、「学習のしおり」や「進路のしおり」、各休み前に発行される「夏休みのしおり」などがある。 どれもきめ細やかに作られており、なかでも進路のしおりの1学年版は70ページ以上にも及んで、学部や職業、資格などの情報がつづられている。 各企業からいろいろな進路学習の冊子が出ているなか、それでも自分たちで資料を制作してしまうところがすごいところである。
 なお、ちゃんと毎年手が加えられており、同じ内容の冊子は二度と発行されない。重要なしおりともなれば全面改訂してあるのは当たり前なのだから、たいしたものである。

時鐘 [じしょう]
 校舎中央の階段のてっぺんにある謎の鐘。滅多に鳴らないが、まれに、チャイムの調子が悪いときには担当の先生が手動で鳴らすと、レトロな響きが校舎を包む。 現在の校舎が建設される前の1971年度卒業生が寄贈していったもの。

十手 [じって]
(1) 大江戸八百八町の治安を守る役人たちが用いる武具。
(2) 1年生が「じって」と聞いて最初に思い浮かべるもの。実際は実力テストのことを指すことが多い。まず何の説明もなく先生の口から発せられる。

シャトルラン [しゃとるらん]
 1500mに代わってスポーツテストの正式採用となった地獄の種目。 詳しい説明は省くが、要するに脱落したものからアウトになっていく無限耐久レースである。 この種目で優秀な成績を収めるためには、持久力、精神力、忍耐力、根性、意地、などがあればよい。
 富校体育教官たちは1500mからシャトルランへの移行に際し、心を鬼にして、シャトルランの採用と同時に1500mの存続をも決議した。

住所 [じゅうしょ]
 さすがは百年の歴史を超える富山高校、住所も完璧である。
 「富山市太郎丸1番地」
 これ以上の隙のない住所があるだろうか。

授業の開始 [じゅぎょうのかいし]
 富校では、始業が近づくと教師たちがずらりと廊下に並び、チャイムと同時に一斉に教室へ入り授業を開始する。 チャイムの前には決して教室には入らず、逆にチャイムに遅れて入ることもない。 このことは終わりにも当てはまり、授業が延長されることは滅多にない、はず。 つまり「授業時間」というものを完全に徹底しているのである。富校のよき伝統の一つ。

塾や通信添削 [じゅくやつうしんてんさく]
 富校の学習指導方針は「これだけやればあとは何もいらない」「授業がすべて」というまでの、授業とその予習、宿題の徹底である。 逆に言えば、それだけすべてこなすなら、塾に行っている暇はない、ということだ。 学習生活実態調査の結果を見ても、塾や通信添削をしている生徒は少なめである。 このあたり、都会の進学校とは趣の違うところであろう。

宿題 [しゅくだい]
 課題と同義語。富山高校の宿題は地獄である、と思っている中学生は多いが、宿題っぽいものはすべて「予習」という名前が付いているので普段の宿題の量は少ない。 ただし、休み中の宿題の量は地獄である。夏休みはもちろん、冬休みや春休み、そしてゴールデンウィークまでもが宿題の「ターゲット」となる。 期日までにすべてやり遂げる者は偉大であり、無上の達成感を満喫することができる。

賞状 [しょうじょう]
 球技大会や体育大会、文化活動発表会といった、クラスが単位となる行事で優秀な成績を収めたところに授与されるもの。 年度を通して教室の黒板の上に誇らしげに掲げておくのが一般的であるが、賞状の多い豪勢なクラスではスペースが足りずに背面の黒板の上にまで貼り付けてある。 また、はりきった担任などが家から額まで持ってきてしまうことも多々ある話である。

食堂 [しょくどう]
 北辰会館に内蔵。食券制度。毎日大勢の生徒が利用し、昼休みがメインであるが、3限後の休み時間にも生徒の姿が見られる。 建物が新しいのでとても気持ちがよく、明るい内装である。
 メインメニューはうどん、そば、天ぷらうどん、天ぷらそば、ラーメン、カレーライス、カツカレー、オムライスカレー、日替わり定食、ライスである。 昔は夏季限定の冷やし中華や冷やしうどんがあったが、新しくなってから一時なくなってしまい、復活の要望が高かったので復活した。
 ライスに80円でカレーのルーをかけてもらう「ミニカレー」という技があったが、もはやすたれた。 それに代わって登場したカツカレーは大変な人気を呼んでおり、昼休みになってようやく食券を買いに行くような手ぬるいことをやっていたのでは永久に食べられない。
 このほかにも一品料理として串カツ、コロッケ、ホットドッグ、おにぎり、みそ汁がおいてあり、チャリンとお金を入れて持っていく。

私立大学 [しりつだいがく]
 私立の大学。富山高校は浪人も含めると7割から8割が国公立大学へ進学してしまうので、私立へはあまり行かない。 これは御三家にすべて共通して当てはまり、富山県の国公立志向の強さがうかがえる。志望校調査には私大を書く欄がなく、受けたい者は勝手に受けなさい、というムードである。 私大に決めて教科をしぼることは後からいくらでもできるので、後にしなさい、というムードでもある。

慎重敢為 [しんちょうかんい]
 大正4年に制定されて以来、今日まで続く富山高校の校訓。ことあるごとに登場するのでとてもなじみ深く、富校生は全員知っている。

スプリングコンサート [すぷりんぐこんさあと]
 吹奏楽部による定期演奏会。毎年春休みに開催される。 富校の吹奏楽部とその定期演奏会は、県下でもっとも古い歴史を持ち、第45回には富山市公会堂の取り壊しにともなう さよなら公演もおこなった。
 ・・・といっても、お堅いクラシックのコンサートではない。 そんなイメージを持っている人もいるが、ふつう、高校の吹奏楽の定期演奏会というものは明るく楽しいものであり、スプリングコンサートも例外ではない。 1部はオリジナル、2部はクラシックの吹奏楽用編曲、そして3部がポップスステージであり、吹いて踊って動き回ってもう大変である。 ソロ演奏の時には、あつい声援が必ず飛び交う。

生徒手帳 [せいとてちょう]
 校訓や校歌、生徒心得などの書かれたコンパクトな手帳。 常に携帯しておかないと先生に怒られるが、そうでなくても身分証明としての価値は大きく、なにかと役に立つ。 高校3年間で数えるくらいしか開かない生徒もいるが、中に書き込みのできるカレンダーがついているため、ぎっしりとメモを取っているひとも結構多い。
 カバーの色が学年によって異なり、1年は女子のリボンに合わせたかえんじ色、2年はやはりオリーブ色、3年は男子の記章台の色で青である。 ただしカバーの色は年度によって変わったりもしており、2年が山吹色の時代もあった。

生徒の学力 [せいとのがくりょく]
 教師も人間であり、元大学生であり、元高校生である。 難関大学を目指す生徒ともなれば、3年生の頃には教師を困らせるような質問をする生徒も出てくる。 しかし、実は教師によってはそれがうれしかったりもする。

生徒名簿 [せいとめいぼ]
 毎年4月、全員にもれなく配られる。全校生徒と全職員の住所氏名に電話番号、生徒の欄には出身中学も載っており、便利この上ない。 気になるあの人の電話番号も、これさえあればすぐに分かってしまうのである。
 ・・・そんな生徒名簿も、プライバシー尊重のご時世にあってその姿を消してしまった。今では自分のクラスの電話番号一覧がプリントで配られるだけである。 撤廃したからといって、外部への名簿の流出が防げるわけもないのに、形だけでもプライバシー保護の立場を表明しなければならない世の中。 押さえられる損害は少なく、得られたはずの利益の喪失は大きい。

席替え [せきがえ]
 完全に各クラスの裁量に任された恒例行事。 誰が取り仕切るのかもまちまちであり、いつどのくらいの間隔で行うのかもさまざまであり、クジなのかアミダなのか担任独断なのかもバラバラである。 4月に一度やったきり、3月までついに席替えはしなかったという固体のようなクラスもあった。

1500m [せんごひゃくめえとる]
 5月になると、スポーツテストに向けて体育の時間に1500mを走る。 ここで要チェックなのが、優秀な記録の者は第一体育館玄関の扉に、所属部と共に貼り出されるという点である。 男子の場合は5分を切ることが条件であり、部の宣伝のため、そして自らの挑戦のために力をしぼる。
 スポーツテストの改変によってシャトルランに取って代わられ、正式採用種目ではなくなったが、富校は両方やる。

掃除 [そうじ]
 富校の掃除はもちろん生徒でおこなうのだが、クラスによってそのシステムはまちまちである。 これは、クラスごとにいくつかの掃除分担場所だけが決められており、その割り振りは担任の裁量に任せられているためである。 そのため、1週間交代のところもあれば、2週間交代のところもある。1週ごとに休みになるクラスもあれば、休みなく永久に当番が続くクラスもある。 担当場所4つのクラスを、4班に分ければ休みはないし、8班に分ければ場所ごとの人数は減るが、1回ごとに残りの4班は休めるわけである。
 ただ、おおむね3年生は比較的楽な掃除分担になるように配慮されているように見える。はよ帰って勉強しろ、ということだ。

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     「た行」
体育館シート [たいいくかんしいと]
 入学式や卒業式などをはじめとした式において、第一体育館に敷かれるシート。土足の富校は、ゆりかごから墓場までとことん土足なのである。 大きな式の時には、体育館の玄関から入り口、そして床の全面にわたって何枚ものシートが敷き詰められ、靴を履き替える必要がない。
 ただし、小さな式の時には全面に敷き詰めるのも大変なので、靴下で入場することになる。 その際、玄関にはとても数百足もの靴など収まりきらないので、体育館後ろの一部に靴置き場としてのシートが敷かれることになる。

体育館シューズ [たいいくかんしゅうず]
 要するにほかの学校で言うところの「内履き」であるが、富校はどこでも土足なので体育館でしか履かない。 活躍の場といったら、体育の時間のほかにはせいぜい1年の宿泊学習先の施設内くらいか。よって3年間使ってもきれいなままである。 各学年でいろとりどりであるが、どうやって色が決まっているのかは見当がつかない。

体育大会 [たいいくたいかい]
 9月におこなわれる、特に3年生が最も燃える行事。おきまりのラジオ体操に始まり、2・3年生のフォークダンスに終わる。 午前中の花形はスウェーデンリレーで、見どころは富校体操である。 スウェーデンリレーとは、4人で100m、200m、300m、400mをリレーするもの。 職員も混ざった60人で、長々とリレーをおこなう60人走という種目もある。
 午後の花形はなんと言っても男女混合リレー、見どころは応援合戦と100m男女決勝である。 応援合戦は3年生の気合も十分に、各団工夫を凝らした演出をする。 感動あり、驚きあり、退屈はなくて興奮あり、笑いもありに拍手もありでひたすら何でもありである。 100m決勝は午前中の予選を勝ち抜いた8名が、所属部と本人のコメント付きで紹介される。 たいてい、ウケをねらったコメントをする者が1人はいる。

大学の棚 [だいがくのたな]
 正式名称ではないと思うが、各教室の黒板脇に置かれた、大学に関する本が置いてある棚。 「蛍雪時代」や「進研プレス」といった出版物が肩を並べており、たまにふらりと生徒が読む。 ただし、文系理系のコース調査があったり、大学志望調査があったりすると、連日人だかりでなかなか読めないくらいに人気が高まる。
 また、文活で使ったマジックやはさみといった文房具が置かれやすい場所でもある。 ここにマジックをはじめとして、紙テープだの画用紙だのがいっぱい置かれているクラスは、「あ、文活がんばったんだな」という印象を与える。

高橋紙店 [たかはしかみてん]
 富校生御用達の店の一つ。文活が近づくと大量のガンピをここで購入する。

太郎丸公園 [たろうまるこうえん]
 富校の西どなりにあり、なかなか大きな公園なので、部活や遊びでレクリエーションの場としてたまに使われる。 球技大会に向けての秘密の特訓場にも使われる。

暖房 [だんぼう]
 各教室に設置してある、冬場の心強い味方。3段階調整付きであり、女の子たちは「寒ぅい」などと言って「High」にしがち。 すると、ただでさえ暖気は上にいき、しかも暖房は天井に設置してあるために、立って授業を進める教師はぼ〜っとしてくる。 加えて、体育の時にうっかりつけっぱなしておくと、教室に入ってくるなり、汗をかいてきた生徒たちを生暖かい空気がおそう。

中学校 [ちゅうがっこう]
 富校には県下のいろいろな中学校から生徒が集まる。そんななかでダントツに生徒数が多いのは堀川中学校。 富校から1キロも離れていないところにある全国有数の市立マンモス校で、富校生の5、6人に1人は堀中出身である。 ついで富大教育学部附属中学が多いが、大まかに言って富山市中心部より南側の中学が多い。これは、富山中部高校が富校よりも北に位置するためである。
 富山市よりも西には高岡高校があるため、高岡地区からの生徒は少ないが、東の新川地区からは広く生徒が集まる。 もっとも遠いところでは富山市の最東端である朝日町や入善からの通学者もいて、通学時間も1時間半と大変なものである。

定期テスト [ていきてすと]
 各学期ごとにおこなわれる中間テスト、期末テストの総称。実力テストと並んで、その広大にして重厚、多岐にして深遠な範囲で恐れられる。 ただし、いずれの教科も見事に範囲を終えてこそ、勇往邁進たる富校生なのである。
 英語や国語といった教科では、テスト時間に問題を読んでいたのでは、やがて時計が狂っていることを信じるほかなくなる。 「こんな文章があったのを覚えていますね」という一文が最初にあるものとして、スラスラ解いていかなければならない。

テストの講評 [てすとのこうひょう]
 富校の教師には感心すべき点が多い。 クラスごとの平均点を出すことぐらいは当たり前だが、夏休み明けテストなどで、宿題を提出した者としていない者に分けて平均点を出したりするのにはまいる。 また、部活ごとの平均点というものも存在し、特定の部の顧問は肩身のせまい思いをする。 時にテストの講評プリントも配布され、教科ごとに見直すべき点などが綿々と記されている。 また、たまにALTが英語でテストの講評プリントを作ってくれると何だか読む気が湧いてくる。

添削 [てんさく]
 富校生の勲章。教科ごとの成績優秀者は教科担任から特製の添削用問題が定期的に配布される。 ますます毎日の時間がなくなるが、添削やってる人は、頭がいいんだ、という目で見られる。

トイレ [といれ]
 生徒が主に利用するロッカー前トイレは校舎の構造上、1階よりも2・3階のほうが広く大きい。 男子トイレは1階が大4小7、2階3階が大6小12。女子トイレは1階が大6、2階3階が大7である。 特に男子トイレにおいてこの差は大きく、新2年生になって「わっ、まだ奥があるのか」とトイレの規模におどろく。

時計 [とけい]
 学校の必須アイテムともいえる教室の時計が、富校にはない。時計が欲しい時はクラスの誰かが家から持って来なければならない。 あまつさえ、学校の必須シンボルともいえる校舎正面の時計もない。うそ、のようだが、本当である。

図書館 [としょかん]
 東中庭の一角、百周年記念館のとなり。天井が高くて快適である。 学習に関連したことならまず何でもそろってしまう。新聞各紙のほか、学術関係の最新の雑誌が読めるのはおいしい。
 3万冊を超える蔵書があり、図書「室」ではなく図書「館」なのである。

富高体操 [とみこうたいそう]
 体育大会の種目で、1年生全員による美しい体操。これは「富高」と書く。 練習してるうちは「撤廃運動起こしてやるー!」などと息巻いていても、終わってみれば「やってよかった」と思うものだ・・・と、教えられる。 ありがちな説教だが、実は本当にそう思ってしまう。
 始めはラジオ体操もどきのおとなしい体操だが、やがては組み体操まで現れてくる。 本番では2・3年生が観客としてあのころの自分を思い出しながら、一糸乱れぬ美しさに感心する。 なお、111期生からは富校OBでもある松下先生による伴奏がつけられ、いっそうの華やかさを感じさせる。

土足 [どそく]
 富校は体育館を除いて全館土足である。従って生徒玄関なる物は存在しない。 H型の校舎には四方八方に出入り口が設けられており、どこからでも入れればどこからでも出ていける。 それでも敷地に泥などがないため、廊下が汚れることはない。 1階の廊下には絨毯が敷いてあり、雨や雪の日も滑ることがないように配慮されている。

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     「な行」
西中庭 [にしなかにわ]
 小高い丘があり、ミルクホールと北辰会館が面しているので、お昼には多くの生徒でにぎわう。憩いの庭。 ぽかぽかとした暖かい日には、丘の上でお弁当を食べる生徒や、アイスクリームやジュースを片手に丘の周りに腰掛けてのびのびとする生徒でいっぱいになる。

日本手ぬぐい [にほんてぬぐい]
 校訓である「慎重敢為」の文字が入った手ぬぐい。1月におこなわれる寒稽古で一度も遅刻・欠席をしなかった者がもらえる。 かっこいいことはかっこいいのだが、あまり使い道はない。

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     「は行」
鳩 [はと]
 富校正門となりの千田酒店で1980年代なかば頃より飼われている鳩。 いつもいつも編隊を組んで富校のまわりをぐるぐると回っており、もはや富校風景の一部と化している。 そんな鳩たち、実は鳩レースの北陸大会にも出場するほどの競技鳩である。舶来ものも多いというのだから甘く見てはならない。

パン屋 [ぱんや]
 ミルクホールで開店する、隣の食堂と並ぶ生徒の重要な昼食源。店をしているのはおばちゃんであり、富校のことはよく知っている。 あらゆる菓子パンをそろえており、サンドイッチやおにぎりまで売っているが、時とともに少しずつ品揃えは変化している。 素敵なパンを手中に収めるためには、1時間目が終わり次第すぐに行くのがよい。2時間目のあとでも大抵は大丈夫だが、うっかりSTが長びくと素敵なパンの入手は難しい。
 食堂利用率とは負の相関関係にあるため、たまにあちらがお休みだと、パンはまたたく間に消えていく。 同様にこちらがお休みだと、食堂の食券販売機は3時間目の後でも長蛇の列、昼休み開始直後は並ぶ気がしなくなるほどになる。

東中庭 [ひがしなかにわ]
 西洋風の幾何学的庭園。中央には小さな噴水、そして池があり、鯉が放たれている。 百周年記念館が面しており、学びの庭として静かな落ち着きがある。 ごくまれにカップルが現れ、西中庭よりもましだろうが、注目を浴びまくるのは覚悟の上である。

百周年記念館 [ひゃくしゅうねんきねんかん]
 東中庭の正面に位置する。「富山県建築百選」にも選定された近代的建物。 富校生にとってメインとなるのは2階の学習室であり、1人用の広々とした机が95席ある。 朝の早い時間と放課後に利用され、いつも生徒がいっぱいである。カップルの黄金勉強場としても名高い。
 特に夏・冬の休み中には、静かで冷暖房完備の快適な環境を求める生徒の間で人気が高い。

附属中学校 [ふぞくちゅうがっこう]
 富山大学教育学部附属中学校。同じく附属小学校、幼稚園もあるが高校はない。富山高校からはやや遠いので、中部高校に進学してしまう生徒のほうが多い。 富校に来る附属っ子は理数科に多いが、彼らだけ国立校出身であり、受験の壁をひとつ多く乗り越えてきたという貫禄がある。
 トイレ掃除は業者の方がすることになっており、彼らは富校に来て初めてトイレ掃除を経験することになる。2005/5/22追記:いまはそうでもないらしい。

富中富高百年史 [ふちゅうふこうひゃくねんし]
 創校百周年を記念して編纂された、富中富高100年の歴史をつづる書物。広辞苑級の厚さは歴史の重みをストレートに表現している。

ブラインド [ぶらいんど]
 全教室がカーテンではなくブラインドであり、日差しの調節にとても便利であるが、他と比べることがないので富校生はこの幸福に気づかない。

文化活動発表会 [ぶんかかつどうはっぴょうかい]
 9月。富校と言えば文活である。その中でも中心的なのがクラス研究発表だろう。 1・2年の各クラスが、それぞれに一つずつテーマを決め、深く掘り下げた研究をおこなう。 研究テーマは「犯罪」「教育」といった社会的なものから、「タイ米」「マインドコントロール」など時事的なもの、 「レジャー」「ドラえもん」など娯楽的なもの、「ホクロ」「酒」など豆知識ものまで、実に様々である。 これまでは社会的なテーマが強いとされていたが、全校投票制度ができてから娯楽性の高いテーマでも入賞をねらえるようになった。
 生徒会執行部や、盛り上がったクラスは打ち上げを開くが、実は職員たちの打ち上げもある。

ベランダ [べらんだ]
 富山高校にはどこを探してもベランダがない。やはりひなたぼっこをするには西中庭に限る。

ホームリーダー [ほうむりいだあ]
 授業中には顔を出さない英語の読み物。テストの範囲表にのみ姿を現し、そのつど富校生を震え上がらせる。 英語教師は「ホームリーダーが富山高校を富山高校たらしめているのだ」と豪語する。 一般に授業で扱う教科書よりも遥かにレベルが高く、内容の難しいものが選ばれる。1年間に3冊くらいか。 「読んでいて多少なりとも面白みを感じる物語」を選んでくれるか、「日本語で書かれていたとしてもまぶたが下りてくるような論文」を選んでくれるかは、その年の英語担任団の気質による。
 どういうわけだか概して高価で、100ページ足らずの小さな冊子のくせして、情報満載の国語便覧よりも値が張ったりすることもある。
 「ホームリーダー分割作戦」とは、範囲となった部分を仲間内数人で分担して訳してくることで、一人当たりの労働時間を軽減しようという高度な技法の事を指す。

北辰 [ほくしん]
(1) 北極星。「論語」為政篇にその名が現れる。
(2) 富山高校の生徒会機関誌の名前。報道委員による工夫を凝らした巻頭特集や、生徒会行事の記録、クラス紹介や部紹介などがある。 特に、文化活動発表会の記録は、クラス研究が各クラスの代表者によってまとめられており、圧巻の読み物になっている。

北辰会館 [ほくしんかいかん]
 ミルクホールとなりの、新しい施設。ピンク色というのがなかなか粋な点である。 セミナーハウスとも言い、「北辰会館」よりもいくらかトレンディな響きがするため、生徒はこちらもよく使う。
 1階の食堂は毎日多くの生徒が利用する。2階には宿泊施設がととのっており、夏休み中は部活の合宿によく利用される。 学校に泊まるというのは不思議な楽しみがあり、しかも新しい施設は気持ちよいものである。

補講 [ほこう]
 富山高校を富山高校たらしめているものの一つ。 各学期の半ば頃と、期末テスト終了後にそれぞれ開講される特別授業の総称。いずれも10回ほどであるが、内容については前者と後者でかなり異なる。
 学期半ばの補講は成績の悪い者を対象に、普通授業の始まる前の0時間目に開かれる。受講者はクラスにどどーんと掲示されてしまうという点がつらい。
 期末後の補講は全員受講で、午前でおしまいとは言え、毎日国・数・英の3教科があるので予習が大変である。これは夏休み後半にも開講される。
 ちなみに富山中部高校の1・2年には期末後の補講しか存在しないため、特に夏休み後半の補講期間中は中部生がうらやましいが、それを耐え抜いてこそ富校生である。

堀川中学校 [ほりかわちゅうがっこう]
 富山高校のそばにあるマンモス中学校。全国的にも生徒数がトップレベルの時代があったらしい。 中部高校には「附属っ子」が多いが、富山高校にはこの「堀川っ子」が多い。
 入学したての頃、多くの新入生は友達がおらず不安でいっぱいだが、堀中出身の生徒は各クラスに5〜6人はザラにいるために余裕の表情である。 もっとも、全校で1000人を超えるような中学であるため、富校で同じクラスになってはじめて会話した、なんてこともザラである。

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     「ま行」
窓 [まど]
 教室の廊下側には磨りガラスの窓が並んでいるが、クラスによっては夏になるとこれを取っ払う。 1年生にはまだこの技を知る者はいなく、2年生の教室からちらほら窓取りクラスが現れてくる。

ミルクホール [みるくほうる]
 生徒の使用する施設としては最も古い建物。ちょくちょく改修があるが、新築してほしい。 憩いの場である西中庭の正面に位置し、実に様々な顔を持つ。
 ジュースの自動販売機が置かれているのはここであり、昼休みや放課後の部活の時間などに利用される。
 パン屋のおばさんがいるのもここであり、1時間目の休み時間から昼休みまでは生徒でにぎわう。
 購買があるのもここであり、購買のおばさんがいろんな品物を並べている。
 アイスクリームを売っているのもここであり、これは購買のおばさんがかけ持ちである。
 吹奏楽部の活動場所もここであり、そのために様々な楽器が点在している。
 ミルクホールという名称の由来は定かではないが、もとは生徒の愛称であったものが正式名称化したという。

むつみ会 [むつみかい]
 富山高校のPTAのこと。漢字では「睦み」で愛情を持って接するという意味になる。 同窓会とむつみ会、このふたつに富校生はあたたかく見守られているのだった。

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     「や行」
休みの計画表 [やすみのけいかくひょう]
 小学生や中学生の夏休み、よく「一日の過ごし方」のような名前の時間配分表を提出しただろう。何時から何時までは宿題、というあれだ。 これが富山高校に進学するとどうなるかというと、大きく進化を遂げて詳細かつ複雑になるのでうんざりである。 一日の過ごし方と実際にどう過ごしたかはもちろん、いつ、どの宿題を、どこからどこまで、何「分」かけてやったかということまで毎日書く欄があるのだ。
 もっとも、これをパソコンに入力してデータを解析する担任団のほうが輪をかけて大変である。

雪だるま [ゆきだるま]
 冬、西中庭や東中庭に毎年出展される作品。気軽に中庭へ出ていける1年生のうちに作っておきたい。作りたいのに作らないでいると、雪が解けてから後悔する。

予習 [よしゅう]
 富山高校を富山高校たらしめているものの一つ。担任団曰く「予習あっての富山高校」。 平日4時間の家庭学習も復習ではなく予習がメインであり、「授業がすべて」の精神をよく表している。 特に数学や英語は予習をやってきていることを前提として、瞬く間に授業が進んでいく。

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     「ら行」
理科館 [りかかん]
 東門のそばにある3階建ての建物。校舎の2階とはダイレクトにつながっている。 化学や物理、生物といった、理科科目の実験がおこなわれるところであり、自然科学部の活動場所でもある。
 コンピュータ室もあり、MACが多数置いてある。ISDNのデジタル回線でインターネットにも接続できるが、普段は使えない。 どういうわけかシンセサイザーもおいてあり、DTM(デスクトップミュージック)環境が整っている。

理数科 [りすうか]
 各学年に1つずつ設置される理系クラス。入学してから一度もクラス替えなく3年間を過ごす事から、ある種の独特の雰囲気を持つ。 その分団結力が強く、文活などでは大きなパワーを見せる。普通科より入学時の偏差値が高く、男子の方が多い。 基本的にテストの平均点は普通科よりも高いが、たまに肉迫されたり、まれに負けたりする。
 クラスを数えるときは1−1、1−2ときて、理数科は1−Rとなる。 理数科の「り」をローマ字にしただけというセンスにはまいる。

リボン [りぼん]
 女子の制服につける。1年生はえんじ、2年生はオリーブ、3年生は藤色である。富校の女の子の象徴であり、気品が漂う。 中学生はこのリボンにあこがれる。

冷水器 [れいすいき]
 H型校舎の真ん中、ロッカーのとなりに設置してある。 昔はお湯とお茶も出たのでカップ麺も作れたが、新しい機械になってからは冷水しかでない。 あるときを境に水の出る勢いがよくなったが、同時に消毒っぽい味がするようになり、人気は激減してしまった。

ロッカー [ろっかあ]
 教室には一つも個人の棚はなく、そのかわりH型校舎の真ん中部分に、1人ずつロッカーをもらえる。 鍵がついており貴重品の管理もできる。生徒が中に入れるものとしては、体育の服や運動靴、内履き、予習のいらない教科書などがある。

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     「わ行」

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